思いついたらおうちの近くから。さあ出かけよう。四国の酒蔵88箇所巡礼の旅


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第七十三番酒蔵札所 「伊予賀儀屋 成龍酒造」
住所: 愛媛県西条市周布1301-1
TEL: 0898-68-7041
営業時間: 月曜〜日曜9時〜17時受付。要事前連絡。

[みんなでやろうぜ]

 『成龍酒造』の在るこの辺りは「周布(しゅう)」と呼ばれ、春夏は温暖で少雨、反対に冬は寒くて雪も降る。また、小松に四国コカコーラ工場、西条にアサヒビール工場と、大規模な飲料工場が集まっている地域。それだけ石鎚からの伏流水の仕込み水が良質であるということであろう。

 蔵元の当主・首藤家は、元々が庄屋の米を預かる倉庫業を営んでいた。それだけ地域で信用があったということであろう。明治10年に酒造業を始めて次期当主の首藤さん(40歳)で7代目となる。
 
 若い当主の首藤常務も、ご他聞に漏れず、誰に言われるまでもなく自然と「跡取りのプレッシャー」を感じて育ったということである。ところが、大学は敢えて東京農大を選ばずに山口大の経済学部に進学、就職も酒造メーカーではなく東京の大手流通問屋に決めた。「我ながら往生際は悪い方です。」と笑っているが、あらかじめ定められたレールの上をただ走ることをよしとしない性格が新しい日本酒蔵の時代を自ら切り開いている今の姿からも垣間見られる。

 古来伝統の酒蔵といえば、当主と杜氏の方向があえば、あとは蔵人が奉公人として酒造りに勤しむというスタイルが主であったが、首藤さんは「チーム」としての酒蔵を目指している。杜氏の織田さん、弟でもとやの敏孝さん他、歳の近い5人の仲間で蔵を運営している。その姿はバスケのチームやジャニーズのグループとなんとなく重なる。
 皆で造りたいのはは「難しい顔して試飲する酒よりも、ついつい飲んでしまう酒」、「まずは地元の皆さんが気に入ってくれる酒」であるという。我々の年代のように何事にもやたら熱く語るのではなく、若い人らしく肩ひじ張らず自然体で話してくれる。さらに「これからは、地域の皆さんと共にこの『周布』をいろんな人に知ってもらいたい。そのために酒蔵としても発信したい」というようなことを普段着の言葉でしゃべる。

 ちなみに子供の頃は剣道少年だった首藤さん。今は小学生から生まれたばかりの2男1女のお父さんでもある。若い時はスノーボードやぶらりドライブの旅が好きだったが、今の趣味は子供たちと竹刀を振ったり、一緒に石鎚山に登ったりという、よきパパぶりである。「子供を慈しんで育てる感覚は酒造りと共通するものがあります。」という言葉も彼が言うと、まったく耳に逆らわない不思議な男である。

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「高縄山系の裾野の周布の遠景 」
高縄山系の裾野の周布の遠景 

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「蔵正面」
蔵正面

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「訪問客にお茶をご接待する蔵の玄関の間」
訪問客にお茶をご接待する蔵の玄関の間

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「7代目首藤さん 黙って座れば俳優の阿部寛といったところ」
7代目首藤さん 黙って座れば俳優の阿部寛といったところ

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「これぞ成龍五人男?ゴレンジャー?はたまたSmap?いや、ももクロ+1?(笑)」
これぞ成龍五人男?ゴレンジャー?はたまたSmap?いや、ももクロ+1?(笑)
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『周ちゃん広場』は土産物に最適?
2018.02.19

 12年前に取材した当時、首藤さんから「すぐそこの『周ちゃん』のジャンボたこ焼きがうまいです。」と教わってから、近くに来たときはたびたび立ち寄っている『周ちゃん広場』。なんのことやらと思われる方ばかりだと思うが、これこそ今、各地で繁盛しているJAの大規模産直市場の先駆けであり、その優等生として全国的にも名高い東予の周布地区が誇る食材マーケットである。なにせもともとは田んぼの中にこの施設だけだったのが、今ではすぐ隣にイオンのショッピングモールやら専門店の郊外店やらが立ち並ぶようになった。平日の昼間に行ったのであるが隣のイオンより停まっている車の数が圧倒的に多い。加工食品や肉、魚はイオンで、生鮮野菜は『周ちゃん』でとはっきりと使い分けられているように思う。リニューアルしてより立派になっているが、最近では観光客などもここでみかん類をお土産に買ったり、愛媛の誇る珍しい柑橘品種を箱ごと地方発送してもらっているらしい。観光地の土産物店で買うよりはるかに安くてはるかに新鮮。そりゃあ、地元の人が喜んで買ってますからね。


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「やたらと広い駐車場だが土日は入りきれないらしい。」
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「平日の昼頃だが地元の人で混雑。 結構、遠いところからも買い出しに来ているらしい。」
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「さすが愛媛。みかんの売り場だけで数十種類。」
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「成龍酒造のお母さんが昔から時々出品している『酒まんじゅう』。今ではすっかり地元の名物になっているが、気が向いた時しか作らんらしいので超レアものに。見かけたら買うといいよ。」
「成龍酒造のお母さんが昔から時々出品している『酒まんじゅう』。今ではすっかり地元の名物になっているが、気が向いた時しか作らんらしいので超レアものに。見かけたら買うといいよ。」
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