西讃岐の「おいり」
2008.03.08
西讃に「おいり」なる食品がある。餅米をふやかして着色した麩菓子のようなものであるが、讃岐の西半分では、桃の節句や、結婚式等のオメデタの席の引き出物に使われていた。今となっては昔のような風習も少なくなってしまったようだが、私が子供の頃は親が商売をしており人様の結婚式に出席する機会が多かった関係で、その際に手土産に持ち帰ってくれるこの「おいり」が大好きであった。写真を見て頂くと分かるように何故か1箱に2枚だけ小判形の煎餅が入っている。聞くところによるとこれは縁起ものであるそうだが、今と違っていたいけな子供の私にとっては、この毎回2枚だけ入っている小判が、わけてもすごく嬉しかった記憶がある。先日、田舎のよろず屋さんで、この煎餅ばっかりの包みを見かけ、思わずお店にあるだけ大人買いしてしまい、家に帰って怒られた。原体験とは恐ろしいものである。(笑)
その「おいり」が、最近、復活しているらしい。今ではわずか数軒になってしまった専門店に聞くと、本来の「引き出物」ではなく「都会へのお土産」として買い求める人が増え、今ではネット販売もしているというから驚きである。県外の人が、こんなものを一体どう喜んでくれているのかは分からないが、そろそろ全国に行き渡った頃を見計らって、小判だけをネット販売すれば大儲けできるのではないか? ・・・と思うのは私だけか。(笑)
同じように反対側の東かがわ地方には、「うずまきもち」なる縁起ものの餅がある。お店に問い合わせると、どうも何かオメデタごとのあるときだけの予約製造販売だそうで、通常は入手出来ない。今のところ、東かがわで誰か知り合いが結婚するのを待つしかないという幻のお菓子なのである。
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「一般的な『おいり』」
「一般的な『おいり』」
「高瀬町 山下おいり店 店頭で持ち帰り販売している」
「高瀬町 山下おいり店 店頭で持ち帰り販売している」
「善通寺市 福井おいり製造本舗 予約で引き出物のみ」
「善通寺市 福井おいり製造本舗 予約で引き出物のみ」
「東かがわの『うずまきもち』 香川県の資料より」
「東かがわの『うずまきもち』 香川県の資料より」
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