思いついたらおうちの近くから。さあ出かけよう。四国の酒蔵88箇所巡礼の旅


大きい画面で見る










第二十三番酒蔵札所 「南酒造場」
住所: 高知県安芸市安田町安田1875
TEL: 0887-38-6811
営業時間: 平日10時〜15時受付。ただし時間変更があるため、電話で要予約。土・日・祝日、年末年始休。

[地元に根を下ろす職人の家系] 
 
 安田町は、高知市と室戸岬との中間点。一つ前の札所の田野と同じく、魚梁瀬の林業・太平洋の漁業・温暖な気候からの農業と、山海の自然が揃っている町。ちなみに魚梁瀬からの森林鉄道が下りてくる木材の集積地でもあった。
この町を流れる安田川も、魚梁瀬の奥に源を発し馬路村を通って海に出る鮎漁で有名な川。安田町でもこの川の伏流水のお陰で昔から酒屋・醤油屋等の醸造業と紺屋が栄えていた。そのせいか、この町には「屋号」が今でも残る。
 
 ここ『南酒造場』も、地元での屋号は「山形屋」。現社長で15代目。江戸時代は海鮮問屋を営んでいたらしい。昔の風情をたっぷり残す酒蔵は、「いかにも酒蔵」という趣でこの町に自然に溶け込んでいる。
 
 58歳の南社長も、生まれた時から後継ぎを宿命づけられていたというが、そのことに迷いはなく、生まれ育った安田の町で代々続いた家系を守ることを信条としている。冗談は言わず、派手な話やPRも一切したがらず、趣味は中学の時から続けている野球を地元の子供たちに指導することと語る朴訥な人。どうやら、酒造りも子供を育てるのと同じことらしい。ニコリともせず黙々と酒造りに臨む、頑固なまでに職人気質の社長。その酒造りに懸ける心意気が、ヒシヒシと伝わってきました。

クリックすると拡大します
「安田川と安田の町」
安田川と安田の町

クリックすると拡大します
「蔵正面」
蔵正面

クリックすると拡大します
「南社長」
南社長
酒蔵さんから
記事はありません
近くの穴場情報
土佐のおきゃく
2007.11.27

 「地元だけのものねぇ。」と難しそうな顔をしながら南社長が答えてくれたのは、「特に安田だけのもんではないけんど」の前置きつきで、それに当たるのは安田町唐浜の神祭(じんさい)のときの『おきゃく』ではないかということ。
 土佐の『おきゃく』とは、高知県だけに見られる「宴会方法」。今は少なくなってしまったものの、ここ数年に亘って38番札所『司牡丹酒造』の竹村社長をはじめとする県下の有志が見直し運動をしている「宴会方法」なのである。お祭りの際、各家庭で行う出入り自由の「大型のホームパーティー」と言った方が分かり易いかもしれない。通常、「宴会」は町の宴会場に集まり出欠をとり会費を集めて行うものであるが、『おきゃく』は地域の全ての家庭で、皿鉢料理を盛って献杯を酌み交わす風習。誰が来てもいいし、無論、お金はとらない。強いて言えば、地域全体総ぐるみの「お裾分け」のようなものである。「近所全部に振舞いよったら、お金がなんぼあっても続かんやろう」と思ってはいけない。『おきゃく』をしたら、今度は「次はお隣、明日はどこの家」とこちらも『おきゃく』になりに行く、という「お互い様の精神」で結ばれた共同体のようなものなのだ。フルオープンなので余所者であってもお呼ばれしても構わないらしいが、そんときは手土産に酒の一本でも下げて行くべし。
 「酒蔵が『おきゃく』したら、大酒呑まれて身上なくすんと違いますか?」と冗談で聞くと、「その分、年間でみんなに買うてもらいよるがな」と言う。細かいことは一切言わず、奢ってもらったらどこかでちゃんと返す・・・人の出入りばっかりの都会では出来なくなってしまった、地域ならではの大切な心持ちですね。

2017年6月
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
←2017年5月 2017年7月→



土佐のおきゃく 2007.11.27
おすすめ
記事はありません
投稿
ニックネーム
メアド (表示されません)
タイトル
本文
写真は1枚、10Mまで投稿可能。管理者が認定すれば、下記に投稿されます。
記事はありません