恐るべき土佐の良心市
2007.12.31
土佐には「良心市」なるものがある。道端に勝手に無人ブースを作り、自分の畑でとれた野菜や物品を並べ、備え付けの箱の中にお金を入れて貰う。全くの無用心なのに回収の際は不思議と会計は合っているという。四国の他の地方にも見られる風習ではあるが、「良心市」とは土佐独特の呼び方である。
ちなみにこの酒蔵巡礼も発案当初は『酒蔵良心市』としていたが、「知らない人には意味が分からんだろ」との理由でコンセプト変更をした経緯がある。おかげで88箇所も廻らなければならなくなったが。(笑)
さて窪川の『文本酒造』から大正の『無手無冠』へ進む国道381号線は、心なしか、この良心市がたくさん出ている国道である。しかも野菜だけではなく内容のバリエーションが豊富。
まず写真@をご覧あれ。この辺りの特産の新高梨(にいたかなし)が3個入りで1000円。高いのか安いのか分からんが、我々県外客でも何となく安心して買える雰囲気である。これはかなりレベルが高い売り場作り。
次のAは花である。恐らくお墓用の花ではないかと思われる。我々には無用だが地元の人には有り難いのではないか。しかもお金を投入する箱には「かってくれておりがとお(「ありがとう」ではなく)」とマジック書きしている。通りすがりの私には全く不要なものなのに、思わず買ってしまいそうな素朴さが良い。
Bは竹酢300円と木酢200円である。得体が知れない上に明らかにコカコーラの『爽健美茶』のペットボトルに詰められている。しかもキャップにはコカコーラに応募するキャンペーン懸賞シールが貼られたまま。かなり怪しい。第一、体に塗布する用例もある商品なのに、これを作っている相手の顔が分からないままに使用しても大丈夫なのか?どことなく不安も漂う。しかし竹酢は売り切れ状態。猿にでも持っていかれたのか?
Cともなると何を考えているのか、もう謎々の域に達している。これはどっからみてもビーチパラソルである。だいたい良心市でわざわざビーチパラソルを買わねばならない必然性があるのだろうか? しかもここは山の奥で季節は11月。
とにもかくにも、よそとはどこか違うぞ、土佐の良心市。恐るべし!
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