関さんの天文台
2007.12.29
「すぐ裏の山にあります。」と仙頭さんが教えてくれた『芸西天文台』。蔵から車で5分少々のところに位置する『芸西天文台』は、県立の天文台である。光学メーカーの創業者で安芸出身の五藤さんという方が、口径60cmの大反射望遠鏡を寄贈されたことが始まりであるという。
この天文台は、「高知県出身のアマチュア天文学者の関勉(せきつとむ)氏が観測所として使用している天文台である」ということで全国に知られている。関さんは、アマチュアでありながら『関彗星』をはじめとして6個の彗星と多数の小惑星を発見した、天文ファンの間では神様のような人。『芸西観天文台』を拠点として発見した小惑星223個には、高知県ゆかりの地名や人名を命名している。「高知」「桂浜」や「仁淀川」「五台山」「龍河洞」に加えて「竜馬」「おりょう」、果ては「よさこい」なんてものまである。夜空に輝く地名としては高知県ゆかりのものがトップなのではあるまいか?
日本の天文史を飾るこの望遠鏡も、2008年には老朽化で引退するということである。一般公開は2007年12月23日迄で、私が取材したのは残念ながらその3日後。歴史ある望遠鏡を拝むことは叶わなかった。来春からは、新型で、より大きな望遠鏡が入るという。隣の『天文学習館』に通う地元の子供達の中からも、次代を担う天文学者が輩出されるかもしれない。