思いついたらおうちの近くから。さあ出かけよう。四国の酒蔵88箇所巡礼の旅


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第八十一番酒蔵札所 「金陵 多度津蔵」
住所: 香川県仲多度郡多度津町葛原1880
TEL: 0877-73-4133
営業時間: 8時〜17時受付。土・日・祝日は休。

「兄弟蔵」

 現在の西野金陵の顔ともいうべき蔵である。今でも3蔵の中で最大量を出荷する。
 もともとは82番琴平蔵が金陵の酒の発祥地であるが、手狭になったこともあり、1969年に「八幡の恩湧」という銘水を求めてこの地に新蔵を建造し、土地の名前より『多度津蔵』と命名した。杜をまるまるひとつの広大な土地に建てられた、当時としては全国でも最先端の設備を誇る最大級の醸造工場であったという。ただ惜しむらくは、こんなに広い土地があるのに、当時から酒造りの中心地であった灘大手(灘は市街地なので土地が狭い)の工場の考え方に習ったがために、平面にせず3階建ての使いにくい施設にしてしまったのである。結果、それから半世紀たっての杜氏を務める酒井さんにとっては苦労が絶えない。
 これに比べてその20年後に同敷地内に追加建造した弟分の八幡蔵(80番札所)は2階建てで効率も良く、より新しい設備でより高級酒を造ることができる。製品的にも二つの蔵を比べると兄の多度津蔵は本醸造酒などの「うまいぶん」を、弟の八幡蔵は吟醸酒などの「ええぶん」をつくっているのだ。
 造り手である酒井杜氏に、それぞれの蔵に対する愛着を聞いてみた。人間社会に例えれば、よくある話、長男は長男というだけで「もひとつな子」でも後生大事にされて育てられるのに、次男や女兄弟は「優秀なのに」結構ぞんざいに扱われている。ちょうどこの蔵もそんな風に扱われていて、親の気持ちとしたら、どちらもそれぞれ愛おしいということだ。そういえば、この話、どこぞの会社の跡継ぎ問題でも同じような話を聞いたことがあるぞ。どこだっけ?(笑)。
 そんな二つの蔵であるが、洗米作業から搾り作業までは個別であるが、その他の作業は同一敷地内の一つの設備で行われている。また、それ以外にも、隣接していることで何かと便利であるらしい。おっと酒税法に触れるようなことはしていないので、くれぐれも変な誤解を生むような記述はやめてくれとのお話でした。(笑)

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「多度津蔵と酒井杜氏のガテンポーズ。最近はコスプレに興味があるらしい。(写真はクリックすると拡大しますのでクリックしてあげてください)」
多度津蔵と酒井杜氏のガテンポーズ。最近はコスプレに興味があるらしい。(写真はクリックすると拡大しますのでクリックしてあげてください)

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「最新設備の瓶詰工場 八幡蔵と共用である。」
最新設備の瓶詰工場 八幡蔵と共用である。

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「ここが八幡蔵との境界線。ここを越えて醪が行き来することはない。・・・と思う。(笑)」
ここが八幡蔵との境界線。ここを越えて醪が行き来することはない。・・・と思う。(笑)

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「酒井杜氏の後継者と目されるドクターの西原君。カメラは魂が吸い取られると近寄らないでと遠巻きに眺める。酒人には変わった人が多い。」
酒井杜氏の後継者と目されるドクターの西原君。カメラは魂が吸い取られると近寄らないでと遠巻きに眺める。酒人には変わった人が多い。
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