思いついたらおうちの近くから。さあ出かけよう。四国の酒蔵88箇所巡礼の旅


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第四十三番酒蔵札所 「藤娘酒造」
住所: 高知県四万十市中村新町4-5
TEL: 0880-34-4131
営業時間: 月曜〜金曜9時30分〜16時30分受付。

[真の藤娘にあとほんの少し]
 
 中村(今の四万十市)は、足摺岬に至る高知県南西部の拠点となる商業の町。もともとは、15世紀に応仁の乱を逃れてこの地の所領に下ってきた一条家が京都に模して造った。人柄も風土も、一般的な土佐のいごっそう体質とは異なり、どことなく穏やかで落ち着いた雰囲気が漂う町である。
  『藤娘酒造』は、そんな中村の中心部の閑静な住宅街の中にある蔵である。焼酎ではなく清酒を実際に造っている蔵としては、ひょっとすると日本で最南端かも分からない・・・と高松国税局酒税課の方が言っていたのを聞き、実際に測ってみた。北緯32度59分35秒・・・九州熊本県の『美少年酒造』の方が、緯度にして僅か17分南にある。う〜ん、よしあと10kmくらい南に移転しようか(笑)。何にせよ地の果ての温暖な土地。水はもちろん四万十川の伏流水。米も地元米を使用。高知らしく淡麗ではあるが、この気候の下、ほのかな甘みがあるのが特徴。
  古くからこの地にあった11の小蔵が昭和18年に企業統合してできた酒蔵である。古いことなのでよくわからないが『藤娘』という銘柄はその中のひとつであったらしいので相当に古い酒名である。
  社長の矢部さんが自分で杜氏も兼ねる。家を継ぐつもりはなく大学も醸造学ではなく機械工学系の道に進んだ後、都会の機械メーカーに就職し活躍していた。呼び戻されて酒蔵に戻った時に、まず「なんと旧態依然した業界か」と愕然としたそうである。それ以来、「習わし」に基づいてではなく「科学の理論的に納得できる酒造り」を試行錯誤してきたということ。苦労のかいあり今では全国新酒鑑評会の金賞に手が届く。最近では台湾や、なんと少し前まで文明の未開地だったパプアニューギニアに酒を輸出している。裸足の国で靴を売るのと同じガッツ。しかし、こんなあんなでふと気がついたらもう73歳(2018年当時)。
  今ではかつての自分と同じく理系でコンピューターの道をすすんでいた実の娘が、決心して実家に帰り酒造りに転身。こちらも何年も苦労しながらもようやく自分で酒を造れるところまで登ってきたとのこと。なんと南の最果ての酒蔵『藤娘』は、愛娘の手により、これから真の「娘」になるのである。

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「蔵の前で父と娘と」
蔵の前で父と娘と

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「事務所正面」
事務所正面

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「蔵内の醸造タンク」
蔵内の醸造タンク

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「中村で最高といわれる蔵水はこの地下に」
中村で最高といわれる蔵水はこの地下に
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がねみそ
2008.01.05

 広大な汽水域を抱える四万十川下流は、海や川の幸が豊富。手長エビや天然うなぎ等、市内の料理店で食べられるものから、四万十のりやゴリ等、お土産物になっているものまである。でも、地元の人が家庭で何を食べているのかと聞くと、『藤娘酒造』のベテラン蔵人さん達が教えてくれたのが、この「がねみそ」。

 地元では「がねみそ」と発音しているが、要するに「かにみそ」のことらしい。34番札所の『高知酒造』の「本日の一言」欄でで紹介した通り、高知県西部では、8月から9月にかけて、海に出て産卵する前のツガニがたくさん獲れる。近所の川にみんなでそれを獲りに行って持ち帰り、生きたまま甲羅だけ取り去り、そのまま殻ごとつぶしてペースト状にし、更に糠を加える。これを鉄板の上でお好み焼き状に焼いていく・・・というもの。これが「がねみそ」。

 「こればっかりは、食べてみんと味は分からんぜ」と教えてくれるが、一年にその季節だけ、しかも地元の一般家庭でしか食べられない料理。四万十川の流域開発や地球の気候の変化によってツガニが手に入り難くなる前の今のうちに、機会を見つけて是非食べておきたいメニューの一つであります。

 
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がねみそ 2008.01.05
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