思いついたらおうちの近くから。さあ出かけよう。四国の酒蔵88箇所巡礼の旅


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第四十一番酒蔵札所 「四万十 霧の里 文本酒造」
住所: 高知県高岡郡四万十町本町4-23
TEL: 0880-22-0039
営業時間: 平日9時〜17時受付。土・日・年末年始休。

[海より5kmで海抜210m]

 窪川は、地図上では太平洋から5km余りにあるが実は海抜210m。四万十川を遡ると河口の中村から一旦山中に入り、大正町を通って窪川に遡上し、更に再び山中に入って津野町の源流に至る。窪川付近は平野が広がり田園も多い。つまりこの平野だけが海からいきなり210m隆起している格好である。海抜が高いだけに空気は清浄、四万十川の伏流水もあり、仁井田米のような良質な米が出来る。また寒さも酒造りに好適。
 
 『文本酒造』は明治36年創業の蔵。元々は文本家により酒造りをされていたが4代で廃業した。そののち地元四万十町のまちづくりをしていた阿部達也さんが専務職として後を引き継いだ。あべさん自身は京都八幡市出身で、元々の酒造りとは縁もゆかりもない日本航空から転身。茨城県から石川杜氏を招いて、当主としての『マーケティング経営』に徹している。蔵も少しずつではあるが全面改修し、地元産物を使ったレストランも併設した。こちらも土日は観光客、平日は地元の昼食で繁盛している。

 土佐の酒は「淡麗辛口」が従来であるが、海外に目を向けている現代においては、必ずしもそれに拘ってはいない。51才になるあべ専務の夢も「従来の日本酒のイメージから脱却した若い人や世界の人が美味しく飲める美味しい食中酒」を造ることである。日本の地の果ての土佐のそのまた端っこに近い地域で大きな夢を抱いて頑張っている姿を観ると、誰が観てももうすっかり土佐人である。

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「窪川を流れる四万十川中流」
窪川を流れる四万十川中流

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「窪川の街並みに連なる蔵の玄関」
窪川の街並みに連なる蔵の玄関

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「玄関を入ると昔ながらの帳場である」
玄関を入ると昔ながらの帳場である

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「現責任者のあべ専務」
現責任者のあべ専務

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「地元食材とのコラボでのレストランも併設。」
地元食材とのコラボでのレストランも併設。
酒蔵さんから
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恐るべき土佐の良心市
2007.12.31

 土佐には「良心市」なるものがある。道端に勝手に無人ブースを作り、自分の畑でとれた野菜や物品を並べ、備え付けの箱の中にお金を入れて貰う。全くの無用心なのに回収の際は不思議と会計は合っているという。四国の他の地方にも見られる風習ではあるが、「良心市」とは土佐独特の呼び方である。
 ちなみにこの酒蔵巡礼も発案当初は『酒蔵良心市』としていたが、「知らない人には意味が分からんだろ」との理由でコンセプト変更をした経緯がある。おかげで88箇所も廻らなければならなくなったが。(笑)

 さて窪川の『文本酒造』から大正の『無手無冠』へ進む国道381号線は、心なしか、この良心市がたくさん出ている国道である。しかも野菜だけではなく内容のバリエーションが豊富。

 まず写真@をご覧あれ。この辺りの特産の新高梨(にいたかなし)が3個入りで1000円。高いのか安いのか分からんが、我々県外客でも何となく安心して買える雰囲気である。これはかなりレベルが高い売り場作り。
 次のAは花である。恐らくお墓用の花ではないかと思われる。我々には無用だが地元の人には有り難いのではないか。しかもお金を投入する箱には「かってくれておりがとお(「ありがとう」ではなく)」とマジック書きしている。通りすがりの私には全く不要なものなのに、思わず買ってしまいそうな素朴さが良い。
 Bは竹酢300円と木酢200円である。得体が知れない上に明らかにコカコーラの『爽健美茶』のペットボトルに詰められている。しかもキャップにはコカコーラに応募するキャンペーン懸賞シールが貼られたまま。かなり怪しい。第一、体に塗布する用例もある商品なのに、これを作っている相手の顔が分からないままに使用しても大丈夫なのか?どことなく不安も漂う。しかし竹酢は売り切れ状態。猿にでも持っていかれたのか?
 Cともなると何を考えているのか、もう謎々の域に達している。これはどっからみてもビーチパラソルである。だいたい良心市でわざわざビーチパラソルを買わねばならない必然性があるのだろうか? しかもここは山の奥で季節は11月。
 
 とにもかくにも、よそとはどこか違うぞ、土佐の良心市。恐るべし!

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