思いついたらおうちの近くから。さあ出かけよう。四国の酒蔵88箇所巡礼の旅


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第七十五番酒蔵札所 「華姫桜 近藤酒造」
住所: 愛媛県新居浜市新須賀町1-11-46
TEL: 0897-33-1177
営業時間: 月曜〜金曜9時〜17時受付。

[俺様のことはジュリーと呼んでくれ]

 新居浜は、三つの顔を持つ町である。一つ目は瀬戸内海の漁師町としての顔。魚介類も豊富で、多少荒いが気っ風の良い酒飲みが多い土地である。二つ目は東予地区第一の中核商業都市という顔。昔から都会からの情報が集中している。三つ目は住友財閥発祥の別子銅山で産出された銅を運び出す為の港町という顔である。この三つの顔のお陰で、自然と、財力もインフラも増強される。
 『近藤酒造』は、明治30年頃にこの町に創業した。前述の土地柄故に、物資は豊富で市場も大きく、気候は温暖、水は背後の赤石山系の伏流水、と条件は整っている。
 5代目となる近藤社長は、子供の頃から理数系が得意。コンピューター関連の分野を目指して高専に進もうとしたが、ご両親の必死の説得により、家を守るべき長男の責任として東京農大へと鞍替えした。卒業後、キリンビールに入社し、東京と北九州で営業を勉強してきたという変わり種でもある。実家に帰る頃には時代も変わり、業務の主力は酒類の卸問屋部門であった。その経営に勤しみながら酒蔵の部門にも注力しようと考えた。ところが杜氏がいない。仕方がないので自分で一から再び勉強を始めた。最初の2年間は、周囲からも「若社長の道楽だ」と思われて反対されていたようだが、とにかく3年間は・・・と、諦めずに独りで精進。4年目にして初仕込み、それから現在に至るまで毎年毎年生産量を増やして、今では立派な柱の一つにまで仕上げた。「信念は妥協しないこと」と語る、なかなか気骨のある経営者である。
  こんな近藤さんであるが、普段は腰が低く微笑満面の苦労人。但し趣味は「祭りの太鼓」。大阪の岸和田のだんじりと並び称されるほど有名な『新居浜の太鼓祭り』。ここで若集が担ぎ上げる巨大な太鼓台の上で『勇太鼓(いさみだいこ)』を叩くと言うことはいわゆる応援団の親衛隊長格である。なので一旦怒らすと無茶苦茶怖いらしい。血まみれの武勇伝は数知れず。一方、酒を飲むと『沢田研二』が憑依。カラオケマイクを離さず「愛媛のジュリーと呼んでくれ。」と、うそぶくが、呼ばないと『ブラッディ近藤』に豹変して非道い目に合う。こいついったいなんなんねん。(笑)



ホームページ
http://www.kondousyuzou.com/

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「新居浜の旧市街」
新居浜の旧市街

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「蔵の玄関」
蔵の玄関

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「新居浜名物太鼓祭りの戦闘隊長でもあった近藤社長。本気で怒ったらめちゃ怖い(という噂が先行している)」
新居浜名物太鼓祭りの戦闘隊長でもあった近藤社長。本気で怒ったらめちゃ怖い(という噂が先行している)

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「昼間の杜氏姿 夜になると開いたコウモリ傘を背にして「TOKIO」を謳い踊る。」
昼間の杜氏姿 夜になると開いたコウモリ傘を背にして「TOKIO」を謳い踊る。
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伝説の大風
2008.02.24

 ここ新居浜市から土居町にかけては、毎年春と秋頃に「やまじ風」という伝説の強風が吹くという。言わば風版の「ビックウェンズティ」「稲村ジェーン」である。どのくらい壮絶かというと、1991年には非公認ながら瞬間最大風速73mを記録したというほど。あの死者3000人を出した室戸台風の瞬間最大風速でさえ60mであるから、およそ人智を越えた想像を絶する風であることには間違いない。まさに神風。

 四国地方に南方から吹き付ける風。これを屏風のように遮っている西の石鎚山系(1982m)と東の剣山系(1955m)との繋ぎ目となっている法皇山脈(1000m前後)付近で、この風が漏斗のように収束されて、一気に山越えに吹き下ろすのが、そのメカニズムである。よってこの風が吹くときには、一挙に気温が5度近くも急上昇するという。

 土居町には、この風にちなんだ『やまじ風公園』なる運動遊具施設がある。小高い丘の上の風向計、風力計の他に、「やまじ風」の吹く方向に併せて設置され、奏者が風がという「風のホルン」が売り。でもよく考えたら、そんな危ない日には、その風が吹き荒ぶこの公園には人っ子一人いないはずである。(笑)
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「この法皇山脈を一気に越えてくる」
「この法皇山脈を一気に越えてくる」 クリックすると拡大します
「『やまじ風公園』の「風のホルン」」
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「同じく風力計と、なぜか滑り台」
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「この地方の民家の屋根には瓦が飛ばされぬように石やブロックが置いてある」
「この地方の民家の屋根には瓦が飛ばされぬように石やブロックが置いてある」
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