思いついたらおうちの近くから。さあ出かけよう。四国の酒蔵88箇所巡礼の旅


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第五十五番酒蔵札所 「宮の舞 松田酒造」
住所: 愛媛県西宇和郡伊方町湊浦1003-2
TEL: 0894-38-1111
営業時間: 月曜〜土曜9時〜17時受付。日曜、祝日要相談。要電話予約。

[四国伊方のかたすみで]

伊方町は、俗に「岬13里(約50Km)」と言われる棚引く紐のような佐田岬半島の町である。リアス式の細長い半島ゆえに、平面の田んぼが無く米が出来ない、半農半漁の地区である。それ故に仕事の少ない冬の期間、伊方町の男衆は他地区へ出て杜氏や大工等の職人仕事に就くことが多く、全盛期には数百人の『伊方杜氏』が勢いを誇っていたという。
 愛媛県は、東西南北に土地が広く峠や海に遮られ土地間の交通が不便であったので、酒蔵は各地区にあった。四国の西の果て「佐田岬」にも最盛期は20軒の酒蔵があったというが、今ではここ『松田酒造』ともう1軒の2軒だけとなってしまった。地図で見ると、確かにここが四国の中で最も西に位置する酒蔵である。ちなみに、最南端は愛南町の四十四番札所『小西酒造場』、最北端は小豆島の八十七番札所『森国酒造』、そして最東端は恐らく阿南の二十番札所『津乃峰酒造』である。全てが地の果ての難所であり、この蔵も八幡浜駅から1時間1本のバスで45分を要する難所(笑)。
 半島の山の湧水を求めて1898年にこの地に創業した『松田酒造』。4代目の松田さん。「ここ佐田岬の人に旨いと思って貰える酒」を目指して奮闘する日々。当地で生まれ、当然、後継ぎとなるべく育てられたが、この人がユニークなのは、自我の確立後(笑)。大学は法学部で専攻は何と!犯罪心理学。う〜ん、酒造りに何か通じるものは・・・無い無い(笑)。ただ性分上、「人間や人間の造ったものを観察すること」が好きで、学生時代は鉄道を乗り継いで各地の建造物や食べ物を巡って全国行脚をし、その歴史や食文化に関する見聞を広めることに夢中だったとのこと。
 それだけに、この人、地元佐田岬地方のことにも滅法詳しく見識も深い。本が書けるかも分からないほど。お互いに暇があれば色々と話を聞くだけでも面白い。
ところでこの多才な松田さん、実はまた別の才能に恵まれているそうな。平成10年前後にフジテレビ系全国ネットの朝の某番組で『松任谷由実選集五七五』なる川柳のコーナーがあった。三年間ほど続いた人気コーナーであったが、この中で2度も松田さんの応募した句がとりあげられた。なにせあのシンガーソングライターの大御所のユーミン、よほど気に入らない限り重ねては選ばない。ひょっとしたら作詞の才能があるのか?・・・と勘違いしないで真面目に酒造りに取り組んでいるところが、松田酒造の良いところである。(笑)

 

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「伊方中心部」
伊方中心部

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「蔵」


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「事務所正面」
事務所正面

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「4代目松田さん」
4代目松田さん
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じゃこかつ
2008.01.23

 松田専務に伊方の名物を伺ったところ、佐田岬の『道の駅きらら』の『じゃこかつ』を挙げて、雨まじりの横風の中、わざわざ車を走らせて送って下さった。

 『道の駅きらら』は佐田岬の稜線上にある伊方町の物産施設。物産館内には伊方杜氏による清酒もまとめて販売している。ここの駐車場にポツネンと建っている、愛媛県内の道の駅ならどこにでもあるような極く普通のじゃこてん売り場。ここで『じゃこかつ』を1枚100円で5枚購入。
 
 見た目は「じゃこてん」というよりまんま「コロッケ」。食べてみると、魚のすり身が口の中でふわっといっぱいに広がる。これはもう既に『じゃこてん』とは別物、別の食感。でも、すり身を買って帰れば何となく家庭でも作れそうな食べ物です。

 買い食いしていると、横から早くも別のお客さんが『じゃこかつ』を買いに来た。こんな雨と風の激しい平日の昼間なのに・・・。「おう!」と松田さんが声を掛ける。どうやら同級生らしい。狭い伊方町、どこへ行っても「知り合いだらけ」・・・と言うより観光客のいない平日は「知り合いだけ」(笑)の町。松田専務がポツリと「あいつは医者なんですわ。」 数少ないお医者さんを、こんな天候の中、大切な診察をサボってまでも買いに走らせる『じゃこかつ』。恐るべし!

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「『道の駅きらら』の駐車場にあるじゃこてんのブース これ自体は何の変哲もない。」
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「これが問題の『じゃこかつ』 」
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「きらら本館内の『伊方杜氏による愛媛の酒』」
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じゃこかつ 2008.01.23
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